水道水基準12項目の概要について

 


 井戸水・水道水などの飲み水には、水質や安全性を維持するために水道法で定められた基準に適していなければなりません。そのため、安全な水を提供するために国市町村などでは、定期的に水道水の水質検査を行っています。
 しかし、井戸水については、水道水と違い個人が管理しなければなりません。近年、土壌汚染等で環境問題が重視されている中、地下水汚染や有害物質が含まれていないかどうか、井戸水の定期検査をおすすめします。
 当社では、井戸水等が飲料水に適しているかを素早く・低料金で検査しております。
埼玉県の保健所では一般的に以下の①~⑫の12項目を分析しています。

① 一般細菌…………………基準値:100個/mL以下
 一般細菌は、水や土中に生育している細菌のことで、ほとんどが無害な細菌です。清浄な水には少なく、汚濁された水には多い傾向があります。

② 大腸菌…………………基準値:検出されないこと
 赤痢等の水系伝染病の発生を防ぐ目的として、ふん尿に汚染されているかの判定のために行っているのが大腸菌の試験です。大腸菌は塩素があると死んでしまうため、大腸菌が検出されるとふん便に汚染された可能性が高く、しかも塩素が入っていないことがわかります。

③ 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素…………………基準値:10mg/L以下
 硝酸態窒素は、人体に影響を与えませんが、亜硝酸態窒素は血液中のヘモグロビンと反応し、酸素を運べなくするため多量に服用すると窒息状態になります。汚染源は、肥料、生活排水、腐敗した動植物などが考えられます。水質基準値は、乳幼児への毒性を考慮して設定されています。

④ 塩化物イオン…………………基準値:200mg/L以下
 塩化物イオンは、塩の成分で、消毒用に入れる塩素とは異なります(塩化ナトリウムは塩化物イオンとナトリウムイオンで構成されています)。塩は人間にとって必須なものですが、水道水に多量に含まれると塩辛さを与えます。水質基準値は、塩辛さを感じない量として設定されています。

⑤ 有機物等(TOC)…………………基準値:3mg/L以下
 有機物は従来、過マンガン酸カリウム消費量として評価していましたが、有機物の量を正確に把握できないことから、平成16年の水質基準改定により全有機炭素(TOC)の量に変更されました。水質基準値は、水道水の味を悪くしない量として設定されています。

⑥ pH値…………………基準値:5.8~8.6
 水の酸性、アルカリ性を数値化したもので、中性は7で、7より低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性が強いことを表しています。水質基準値は、水道水が弱酸性から弱アルカリ性である値として「5.8~8.6」と設定されています。
⑦ 味…………………基準値:異常でないこと
 水は基本的には無味ですが、不純物が入ることにより味がします。不純物が多量に入ると塩辛さや渋み等を感じます。水質基準値は、「異常な味がしないこと」と定められています。

⑧ 臭気…………………基準値:異常でないこと
 臭気は、水道水のにおいのことです。水道水は塩素を入れるため、塩素臭があります。カビ臭物質や油が混入すると水道水から塩素臭以外のにおいがします。塩素臭以外のにおいを異常なにおいとし、水質基準値は、「異常なにおいがしないこと」と定められています。

⑨ 色度…………………基準値:5度以下
 水は基本的に無色ですが、鉄等が含まれることにより色を着けます。色度は色の度合いを数値化したもので、水質基準値は、肉眼でほとんど色を感じられない値として「5度」が設定されています。

⑩ 濁度…………………基準値:2度以下
 水は基本的に透明ですが、鉄等が含まれることで濁りを生じることがあります。濁度は、濁りの度合いを数値化したもので、水質基準値は、肉眼でほとんど濁りを感じられない値として「2度」が設定されています。

⑪ アンモニア態窒素…………………基準値:特になし
 アンモニア態窒素は、水に含まれるアンモニアの量です。生活排水に多く含まれます。水道水にアンモニアがあると塩素と反応するため、多量にあると残留塩素を一定にすることが困難になります。そのため浄水処理の指標として検査しています。

⑫ 残留塩素…………………基準値:特になし
 水道水に入れる塩素の残量のことです。残留塩素は法令により、0.1mg/l以上確保することが義務付けられています。上限は決まっていません。残留塩素が多いと水道水に塩素臭を与え、水の味を悪くします。目標値は、水道水をおいしく保つために定められました。

☆ご不明な点、分析料金等のお問い合わせは弊社までご連絡下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年06月02日